伝説の… スキンヘッドがまばゆい名物店主が経営するエチゴヤ。 かの店はいつも冒険者達で繁盛している。 系列店は世界に及び、店主の兄弟はゆうに20人以上も居るという。 それはさておき。 そんななか、やはり冒険者である リーラル・ラーンはかなりの頻度でエチゴヤに通っていた。 冒険の前の下準備、新しい装備…etc。 しかしこのところ毎日彼女は姿を見せる。 それはなぜだろうか? 「はぅぅ〜またやってしまいましたぁ…。」 間延びした声とともに入ってきたのは件の彼女リーラル。 親父さんはリーラルの姿を見つけると声をかけた。 「よう、また今日は何の用事・・・・ってなんでぇそのみずびたしはっ!?」 リーラルは友人いわく「希代のドジエルフ」らしい。 冒険にてそんな称号ももらっていたりする。 …世間に認められたドジ。 リーラルはそれを否定するだろうが、 回りはかぶりをふって「いやいやドジだろ」という。 彼女自身納得しては居ないのだが・・・。 そのため最近では一日10回は最低転んでいるという。 「えと、実はですね…。」 さてそんなリーラルは最近『まるごとうさぎ』が大のお気に入りである。 以前依頼で譲ってもらい、その後の時期は暑くて着ていなかったのだが、 寒くなってきた今また着だしてるんるんで町を歩いていた…のだが 城の前の橋で川べりを覗こうとしたとたん。 足元の何かに躓き川へ落ちたらしい。 普通なら欄干につかまってことなきをえるのだが、 それはまるごとシリーズの悲しさか、頭が重く錘となって沈んだというのである。 「はぅ!!着ぐるみが重くておよげな…誰か助けてくださー・・ぶくぶく。」 沈む直前街中の勇者に助けられたらしい。 「…それはまた…。」 親父も思わず居合わせた客も笑いをこらえるのに必死である。 「で、また・・・ポーションをいただこうかと・・。」 けがの耐えない彼女はこうして絶え間なくエチゴヤに通っては、 ポーションを買い、怪我を癒してるらしい。 「しかしなぁ、そんなんであんた毎月よく暮らしていけるもんだよ。」 「生業収入は全部消えてしまいますね。」 はははと笑いながら品物を受け取る。 しかし、こう毎日転んでいるにもかかわらず、大怪我に至らないのが不思議である。 友人知人もみなそう言うらしい。 「にしても、その姿見てられないねぇ、よかったら暖炉に当たっていかないか?」 「外は寒いですし・・・そうさせていただきます。」 ぬれたままの格好では寒いイギリスの風にいじめられて風邪を引いてしまうだろう。 「申し訳ありませ・・・。」 げい〜〜〜〜〜ん! お礼を言おうと頭を垂れたとたん、子気味のよい音が店内に響く。 「あんたよく…冒険者が務まるな。」 「あはは、よく言われます。」 床で滑って転びそうになりながら暖炉のそばに座るリーラル。 エチゴヤの主人の意見は店内に居た冒険者の総意、否、 多分リーラルを知るものにとっては同じ気持ちであろう。 「はぁ〜あったかいですねぇ。」 ほや〜んとした空気をかもし出したリーラルはそのままうとうと寝てしまい、 暖炉に頭を突っ込みそうになったところをエチゴヤの主人に起こされたという。 希代のドジ娘リーラルは今日もどこかで転んでいるだろう。
伝説といっては言いすぎですが。 私の中で彼女はこんな感じに育っていってます。 否、老化してたり??(ぉぃ 遺伝的には彼女のドジは母親から受け継いでますが、 一部作者の体験談が入って…るかもしれない。 いつものごとくくだらないSSを読んでいただきありがとうございました。 (05.11.04up)